現在僕は、多くの経営者さんをサポートさせていただいていますが、皆さんとてもアイデアが豊富で、やりたいことがたくさんあるようです。
そして、ご自身も有能なので、なんでもかんでも人並み以上に出来てしまいます。
その「出来てしまう」ことは、メリットでもあり、時としてデメリットでもあるのですが、僕の見方は、経営においてはデメリットの面が多いと思っています。
その理由は色々ですが、2つだけ言うと
- 自分の1馬力を割り当てるには対象が多いと非効率
そして
- そのままだと思考停止状態になる
という理由だからです。
有能経営者の罠
ランチェスターの第2法則は
「物事を2つに分散すると、 そこに投じられるパワーは2分の1ではなく、2乗分の1になるので、4分の1づつのパワーになる」
と言うことを表していますが
- 同時に2つ違うことをやれば4分の1づつ
- 同時に3つ違うことをやれば9分の1づつ
というように、有能で色々とできれば、できるほど、その成果とスピードは落ちていきます。
これを回避するには、短期的に1つにパワーを集約させ6割程度いったら、次にフェードインしていくという波乗り的なパワー分散がおすすめです。
そうすると、本来のあなたのパワーを活かして、ものすごいスピードでアイデアが現実化していくと思います。
意図して自分の自由を奪ってみる
なんでもできてしまう経営者さんを多くサポートしてきて、その方たちに一番必要なことは何かというと、それは「我慢」だと気づきましたw
- やらない我慢
- ブレない我慢
- 目先の成果に飛びつかない我慢
そのために、自分自身への課題として、チャレンジしてほしいのが「自分で自分の自由を奪う」ということです。
- 目先の作業を出来てしまうという自由を奪う
- 興味本位に手を出してしまう自由を奪う
- すぐに口出しをしてしまう自由を奪う
など、「やってはいけないルール」を決めて、自分の行動を制限してみてください。
制限からアイデアとパワーは生まれる
不思議なことに、思考や行動を制限されると、そこからアイデアとパワーが生まれます。
制限をすることで思考停止状態から抜け出します。
例えば「儲けることのできる新しいビジネスアイデアを出す」という制限の無い質問よりも
「この3ヶ月間、一切新しいビジネスアイデアを出さずに、既存のビジネスだけで今の時流にあったサービスを提供する」
なんて制限があったら、なんとしてでも今のビジネスを考え続けなければなりません。
他には「この3ヶ月間で、売上を150%アップさせる」という制限の無い質問よりも
「この3ヶ月間で、自分はエグゼタイムだけに集中して売上を150%アップさせる」
※エグゼタイム=経営者の最も得意で利益を生む仕事をする時間
なんて制限ならば、自分は得意業務だけに集中しなければならないので、他の人やモノの力を借りざるを得ません。
実は、こういう制限のある絞った質問の方が、ビジネスのアイデアとパワーが出るのです。
あなたの本質的な存在価値をあぶり出す
制限がある状態で、成果を出すには自ずと
自分の本質的な存在価値を活かさなければ難しくなる
ということに気づくと思います。
制限は、自分の本質的な存在価値・提供価値をあぶり出してくれると思います。
ぜひ一度、思考実験でもいいので、普段何気にやってしまっていることを一度、ルールで禁止してみて、それでも成果を出すには?と自分に問いかけてみてください。