以前の話ですが、パーソナルトレーナーの奥村幸治さんという方の講演を聞きに行ったことがあります。
この方、イチローが日本で210安打を達成した時に、イチロー専属打撃投手を務めていて、当時「イチローの恋人」としてマスコミに紹介されていた方です。
また、楽天イーグルスの田中将大投手の中学校時代に所属していた野球チームの監督もされていました。
1時間半の講演の中で、色々な野球選手の話題が出てきましたけどやっぱり一番面白かったのはイチローエピソード。
ルーティーン化して自分の心や体を一定に保つために5年間同じレシピのカレーを食べていたことや、ヒットを打った時と打たなかった時の階段を昇る一歩目の足をそれぞれ決めていたこと、など話していましたが、中でも良かったのは、「目標」に対する考え方です。
目標は大きくてはいけない
ある日イチローが深夜1時から4時くらいまで3時間もの間、バッティングマシーンを使って黙々とバッティング練習をしていたそうです。
「できますか?3時間も?
ゴルフ好きだとしても3時間も打ちっぱなしで打ち続けられますか?」
と奥村さんは問いかけていましたが、イチローに聞いたそうです。
「よく3時間も、4時間もできるね?」と。
その時にイチローはこう言ったそうです。
「奥村さん、3時間打とうと思ったら打てません。
そうではなくて、僕は毎日目標を決めて練習しています。
その目標を達成しようと思うから、気づくと3時間になっているんです。」
またこうも言っていたそうです。
「目標は大きすぎては駄目です。
目標は小さくして、その目標を達成したら、次の目標が出てくる。
その次の目標を達成したら、次の目標が出てくる。
だから長くできるんです。」
驚くべきは、当時イチローは21才。
自分の21才の時と比較するつもりは毛頭ありませんが、結果を出す人は高度なマインドを持っていて、しかもそれが行動に直結しているのだなと思いましたね。
大きな夢につながる小さな目標
ところが有名な、イチローが小学6年生の時に書いた『ぼくの夢』という作文では「プロ野球選手になる」という【大きな夢】を語っています。
しかし、一方で「目標は大きくてはいけない」と言っています。
なぜならば大きすぎる目標は、届かなかった時に挫折をして、それが癖になって、諦めてしまうからだそうです。
大きな夢を掲げながら、それに向かって小さい目標を設定し、小さい成功を積み重ねていく。
それが自信になって、大きな夢を実現する確信に変わっていく。
夢は大きく、目標と行動は細分化して小さく。
これは、スポーツにもビジネスにもあらゆることに通じる目標達成の極意だと思います。