先日Facebookで以下のような文章を紹介している方がいました。
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蝶になれないさなぎの話
あるところに一匹のサナギがいた。
男の子が歩いてきて、そのサナギを見つけた。
あっ、サナギだ、と思って見ていたら、そのサナギは殻を破って外に出ようとしていた。
蝶になる過程だった。
男の子は興味を持って、そのサナギを見ていた。
十分、二十分、ずっとそのサナギを見ていた。
でも、サナギはなかなか出てこない。
殻が固いのか、一生懸命もがいているのに、一時間たっても出てはこられなかった。
男の子は、サナギがかわいそうになった。
そして、カバンの中にあったハサミを出して、外へ出られるように、サナギの殻を切ってあげた。
すると、いともたやすく、蝶は中から出てくることができた。
でも、何か変だった。
蝶であるはずなのに、羽はぐちゃぐちゃで縮んでいて、胴体は膨れ上がって大きくて、いってみればもう蝶ですらなかったのだ。
羽は小さい。胴体はでかい。
飛ぶ事もできない。
結局、その蝶になれなかったサナギは、もぞもぞと歩いてその場を去ってしまった。
男の子は、その蝶を助けたかった。
そのためにハサミで殻を切ってあげた。
だが、蝶にとっては助けてもらったことにはならなかった。
一生、飛ぶことのできない体になってしまったからだ。
蝶は殻から出るときに、もがくことで飛べるようになるという。
胴体にある養分を羽に持っていき、羽根を成長させるというプロセスが必要なのだ。
それを男の子に奪われてしまった。
殻の中でもがいて、胴体を小さくして、羽根を大きく広げて、初めて飛べるようになるというのに。
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青春を奪うな
僕はこういうもがく必要がある期間・プロセスを
「青春」
と呼んでいます。
そして、常に相手の青春を奪わないように気をつけています。
同時に、自分の青春を味わい尽くすことも意識しています。
青春とは、自分や他人が成長するために必要な悩み、もがく、ある一定の期間でありプロセスです。
これを奪い奪われることで手に入れられる成果はとても小さくなってしまうのです。
仕組み化、外注化に失敗する経営者の特徴
この蝶になれないさなぎの話は色々なシーンに適用できるのですが特に経営者においてはその青春を奪う行為は自分のビジネスをシュリンクさせてしまう危険性が出てくるので気をつけるべきだと思っています。
- すぐに成果が手に入るような、楽して得するノウハウを探し続けて手を出す習慣
→試行錯誤を手放して思考停止してしまう
- 部下やパートナーのやり方にすぐ口出して自分のやり方でうまくやってしまうような習慣
→相手の失敗や経験を奪ってしまう
- すぐに成果の出る仕組みを作ろうとする習慣
→ビジネス全体の一貫性のある仕組みができず単発の狭い範囲に最適化された仕組みができてしまう
経営にスピードは必要ですが本来深堀りして味わい尽くすべきところで稚拙に処理してしまうことが深みのない薄っぺらなビジネスを作り出してしまう危険性を生むのです。
仕組み化や外注化に失敗する人は耐えるべきところで耐える力が足りていないという印象を受けます。
経営者は「耐力」が必要
- 自分の価値観や軸が言語化できず、仮決めを繰り返す
- 部下のミスを許容し、敢えて青春を味わってもらう
- オリジナリティのあるビジネスがなかなか作れず試行錯誤が続く
そういうことにあなたは耐えられるでしょうか?
経営者には耐力が必要ですね。
どれもこれも我慢すれば良いわけではありませんので何をさっさと処理して何を耐力を持って熟成させていくべきか?
実行し、失敗して、その選択眼を磨きながら青春を捧げるところには耐力を持って待つ。
それがいずれは強く揺るぎないビジネスに発展していくと思います。